子どもへの対応

不登校に多いHSP。繊細な性格の正しい理解と対処法

この記事の著者

柳 聡明 / 不登校訪問専門員

最近よくHSPという単語を目にしませんか?
HSPとは、Highly Sensitive Personの頭文字を取った言葉。「生まれつき感受性が強く敏感な気質を持った人」のことを指す単語です。
実はこのHSPが、不登校の原因となる可能性があります。

HSPを初めて聞くと「病気なの?」と思われる方も多いのですが、これは病気ではありません。生まれ持った気質や性格のひとつと言えます。

今日は、HSPがどんなものか、HSPがどのように不登校に影響するのか、またHSPの子への対処法についてご紹介します。



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不登校に多いHSPの特徴

HSPとは繊細で感受性の強い人のことで、なんと全人口の15~20%に当てはまるそうです。ですから、生まれつき過敏な子や神経質な子はHSPということになります。

HSPの子はとても細かいことに気がつくので、日常生活や集団生活の中では大きなストレスを感じてしまいます。
また他者の表情などから、相手の気持ちを敏感に察してしまったり、周囲の物音に過敏だったりするので、疲れやすいと言えます。

HSP以外の人から見ると、「気にしすぎ」「怖がりすぎ」と判断されてしまうことが多いようです。



不登校に多いHSPの分類

・よく気が利く
・ものごとを深く考える
・体の変化も敏感に感じる
・感受性豊か

上記のようなことがHSPの特徴と言えます。ですがHSPは個性なので、当然、一人ひとり違います。

例えばHSPの中には、HSS(High Sensation Seeking:刺激追求型)と呼ばれるタイプもいます。こういった子は刺激を求めて外に飛び出すものの、外界の刺激でヘトヘトになってしまうのです。矛盾した行動のように見えますが、本人の内側から湧き出てくる欲求なので、止めることはできません。

他にも、

HSC(Highly Sensitive Child):非常に感受性の強い子ども
HSP(Highly Sensitive Person):非常に感受性の強い大人

上記のように分類されたりもします。



不登校に多いHSPの長所と短所

HSPの長所

・気配りが上手
・人の気持ちに共感できる
・危機管理能力が他の子よりも高い
・深く考えるので、周りが気づかない事に気づける

HSPの子は優しい心を持つ子が多く、人の悲しみに気づいてあげられます。それってとっても素敵なことですよね。お母さんにとって自慢のお子さんではないでしょうか?その繊細さや優しさを、日頃からたくさん褒めてあげてください。


HSPの短所

・疲れやすい
・自己否定が強い
・過剰な刺激を受けやすい

HSPの子は繊細すぎる場合があります。他者の悲しみを感じ取れるので、そういった部分に共感しすぎてしまうのです。
また自分自身も傷つきやすいので、マイナスな考え方になりやすく、精神的な病気にかかりやすい面も。

小さな仕草や言動で相手の気持ちを汲み取ることができたり、色々なものに深く感動できたりする反面、様々なことを敏感に感じ取り過ぎ、ストレスを抱えてしまいやすいと言えます。



HSPの子が、不登校なりやすい理由

理由その1:自分に厳し過ぎる

人は誰しも失敗します。その失敗を重ねて成長するのです。
でもHSPの子は、真面目に受け止めすぎてしまい、それを重く受け止め、失敗した自分を厳しく責めてしまいます。

その結果、「次もまた失敗したらどうしよう…?」と考えすぎてしまい、前に進めなくなってしまう子が多いのです。


理由その2:周囲に合わせられない

HSPの子は感情の面だけではなく、音や刺激といった五感にも強く感じやすい傾向があります。つまり集団生活はとても苦手なのです。
なのに周りに合わせられない自分を責め、周りと同じようにしようと無理を重ねてしまいます。
そして疲れ切って動けなくなってしまい、不登校になってしまうケースが多いようです。


理由その3:すべてを真正面から受け止める

「○○ちゃん、変なの」「気持ち悪ーい」こんな言葉って、ある程度、親しい人と一緒にいれば、日常的に飛びかっていますよね。
さらっと流してしまえばいいだけなのですが、HSPの子は真正面から受け止めてしまい、心にどんどん傷を負ってしまいます。その心の傷の積み重ねが、不登校となって現れます。



HSPが原因で不登校になってしまった子への対処法

対応その1:受け入れる
まずは、ありのままのお子さんを受け入れてあげてください。
よく鬱の人に励ましの言葉は禁句って聞きますよね。それと同じで、HSPの子にも、励ましの言葉はプレッシャーになります。ですので、「また元気になったら、学校に通えるよ」「みんな傷つくんだよ」などの言葉は禁句です。


対応その2:叱らない

とても真面目で一生懸命な子なので、絶対に叱らないであげてください。
叱ったりすると、

・一生トラウマとして残る
・自分をどんどん責める

上記のような結果になります。不登校の場合、まずはお子さんの元気を取り戻してあげるのが先決です。そのためにも、決して叱らず、お子さんの様子を見守ってあげてください。


対応その3:褒めてあげて、自己肯定感を高める

HSPの子は常にビクビクしているところがあるので、その結果「どうせ自分なんか…」と自己肯定感を高く持てない子が多いです。

自己肯定感が低いのは、不登校の子全員に言えることです。だからこそ、たくさん褒めて、お子さんの自己肯定感を高めてあげてください。
自己肯定感を高め、自信を持てるようになると、『周囲に過敏に反応してしまうけど、自分の心は揺らがない』ようになります。


対応その4:何が辛いのか、原因を探っていく

お子さんが辛いと感じるもの、お子さんが無理をしているものを一緒に探すようにしてみましょう。
無理しているものさえわかれば、それを『大丈夫』に変えていけばいいのです。

とは言え、冷静に自分を分析できるのは、お子さんの心が元気になってからです。焦らずゆっくり探すようにしましょう。



HSPの特徴を理解して、小さな成功体験を積ませてあげよう!

HSPの子は、人よりも過敏なので、傷つきやすく、友だちとも付き合いづらい面を持っています。他人の痛みや悲しみがわかるので、誰かを必要以上に激しく攻撃したりすることもありません。それは素晴らしい個性なのですが、残念なことに、現代社会では生きづらい面もあります。

年齢を重ねてくれば、過敏に反応しながらも「自分はこうだから」と自己しっかりと保っていけますが、思春期のお子さんにはとても難しいことです。

ですので、まずはHSPの子の心を理解してあげ、自己肯定感が高まるよう、できるだけたくさん褒めてあげてください。そして小さな成功体験をたくさん積ませてあげてください。難しく考えなくても、ゲームをクリアしたら、「ずごーい!!さすがだね!」と声をかけてあげればいいのです。

子どもは毎日、何かしら成功体験を積んで成長しています。ご家族全員で、お互いの成功体験を発見し合うゲームができたら楽しいですよね。

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この記事の著者

柳 聡明 / 不登校訪問専門員

とにかくサッカー漬けの毎日。8歳からサッカーを始め大学でもサッカー部に所属していました。高校は県でも有数の進学校にスポーツ推薦で入学。なので、授業についていくのにも必死。最初の定期テストでは赤点も3つ…。この成績が続くと部活もクビに…。なんとかしなければと、登下校の時間やスキマ時間を使って、勉強と部活の両立の方法を考え乗り越えてきました。こうした自分の経験も活かして、勉強で困っているお子さんを一人でも多くサポートしていきたいと思います。

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