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不登校の子を前向きできる【効果的な声掛け】とNGな声掛け

この記事の著者

中城 宏介 / 不登校訪問専門員

「うちの子、不登校だから暗くて」
「なんとか元気にしてあげたいけど…」
「NGな声掛けって?」

こんなことでお悩みではありませんか?

不登校になった子は例外なく心が傷つき、そのため自己肯定感も低くなっています。

それは時間をかけてゆっくり癒してあげる必要があるのですが、親御さんが頭を抱えてしまうのは、お子さんの考え方が後ろ向きなこと。

そのため、「何を言っても逆効果になっちゃう…」と、泣きそうな気持ちでいる親御さんは少なくありません。

そんなお悩みを解決できるのが、声掛けのテクニック

もちろん最初は難しいかもしれませんが、親御さんがお子さんの気持ちに寄り添って話せるようになれば、再登校に向けて前向きな気持ちを持ってくれるようになります。

そこで今日は、『不登校のお子さんが前向きになる声掛け』と『言ってはいけないNGな声掛け』の両方をお伝えしていきます。



不登校のお子さんが前向きになる声掛けをする方法

不登校のお子さんが前向きになる声掛けをする方法は次の通りです。

1. お子さんを大切に思っていることを伝える
2. できていることを伝える
3. お子さんの目標設定より少し上の目標を伝える
4. お子さんを信頼していることを伝える
5. 休んでいいよと許可を出す

お子さん自身「学校にいかなくてはいけない」ということはわかっていますが、学校での嫌なことなどが原因になって自信を失ってしまっています。

そのため、お子さんが少しでも自信を取り戻せるよう、自己肯定感を高める声掛けをしていきましょう。

それでは、さっそく解説していきます。



前向きになる声掛け①お子さんを大切に思っていることを伝える

不登校のお子さんが前向きになる声掛けをする方法の一つ目は、大切に思っていると伝えることです。

お子さんの自信がないときには「自分なんか何をやってもダメなんだ…」と考えがちです。

このようなお子さんにやる気を出させる為とは言えキツイ言葉を投げかけると、より自信をなくしてしまいます。

ですから、不登校であってもなくても、どんな状況であれ親御さんにとってお子さんは大切な存在であることを伝えてあげてください。

例えば「産まれた時、お母さんもお父さんも泣いちゃったんだよ。今でもその気持ちは変わらないよ」等、幼いころの思い出話、今までの楽しかった経験などを話してあげると有効です。

この声掛けによってお子さんとの間に信頼関係ができ、自己肯定感を高めるための声掛けも受け入れてくれるようになります。



前向きになる声掛け②できていることを伝える

続いては不登校になっている状態は一旦置いておいて、家庭内でできていることに対して承認を行っていきましょう。

承認とは、簡単にお伝えすると、今できていることをそのまま「〇〇できたね」と、ありのままを認めてあげることです。

ちょっとややこしく感じるかもしれませんが、ここで褒めてしまうと、親御さんに褒められた行動しかできなくなってしまうので、承認し、「やったほうがいいこと・いけないこと」の判断基準を身につけてあげましょう。

それに自分でやってみて承認されると「やってよかった」と思えるようになるので、自己肯定感も高まっていきます。



前向きになる声掛け③お子さんの目標設定より少し上の目標を伝える

不登校の状態で自宅学習を行う場合、計画を親子で作ることも大切ですし、担任の先生からも伝えられるち思います。

その時お子さんにすべて丸投げしてしまうと、自身ができる量よりも少なめに目標設定してしまう傾向があります。

たとえば簡単な例でいうと、英単語を毎日20個は覚えられるのに16個程度と、80%の力でできることをお子さんは目標としてしまうのです。

ですから、親御さんは英単語を24個覚えてみようと、多少高めの目標を設定してあげてください。

すると、完全にできなくても20個程度は覚えられるようになります。

このように、最初は16個と申告していたのに、20個も覚えられたという事実を「20覚えられたね!」と、先ほど紹介した承認で伝えると、お子さんは「よし!次もやるぞ!」と思えるようになるのです。

難しく考えず、スモールステップで繰り返し行っていけば、どんな子でもいつの間にか学校の先生からいわれた目標値を越えて、どんどん取り組めるようになります。



前向きになる声掛け④お子さんを信頼していることを伝える

また、何をするにしてもお子さんを信頼していることも伝えてあげてください。

というのも、親御さんが信頼していると口に出してお子さんに伝えると、期待されているとお子さんも嬉しく感じ、頑張ろうという気持ちになるからです。

もちろん親御さんが心配している通り、お子さんが完璧に課題を仕上げてくることはほとんどありません。

ただそこで、できていないことを叱るのではなく、できていることに目を向け承認すると、「失敗しても受け入れてくれる」という信頼が親子間に生まれるのです。

こうしていくと、「失敗してもいいからやってみよう」とお子さんは感じ始め、どんなことにでもチャレンジできるようになります。

このチャレンジ精神が最終的に「一度学校へ行ってみよう」となれば、不登校から再登校に変化する前段階へ進めます。



前向きになる声掛け⑤休んでいいよと許可を出す

とはいえ、常に高い目標を提示し続けると、お子さんも疲れが溜まってしまいます。

そうなると親御さんは、学習進度が遅れることに恐れがでてくるかもしれませんが、思い切って「休んでいいよ」と許可を出してあげましょう。

お子さんは親御さんの期待に答えたいがために無理をする可能性もあるので、きちんと休むことも大切です。

疲れが見える状態で勉強するよりも、完全にリフレッシュした状態で勉強したほうが、効率は確実に上がります。

そのため、不登校でも休むことを念頭におき、勉強していきましょう。



登校に前向きなお子さんが不登校を継続してしまう!?そうなったら怖いNGな声掛け

では逆に登校に前向きなお子さんが不登校を継続してしまう可能性が出てくる、NGな声掛けはどのようなものでしょうか?

具体的には次の通りです。

● もっと頑張れと応援する
● 親や兄弟、他人と比較する
● 学校の情報を共有してしまう
● 学校に行くことを強制する
● なんで?と詰問してしまう
● 学校に行かない対価を要求してしまう
● 人格否定する言葉を投げかける

それぞれ解説していきます。



NGな声掛け①もっと頑張れと応援する

不登校を継続してしまうNGな声掛けの一つ目は、もっと頑張れと応援してしまうことです。

親御さんは努力で勉学に励み、どんどん成果を出せた経験があると思います。

だからもちろん、「だからうちの子にもそうなって欲しい」と思うのは当然です。

でも、この努力ができる才能がある人、ない人が存在するのです。

それに努力できた親御さんは、努力を努力と感じないほど、『勉強が好き』『仕事が好き』なモチベーションがあったと思うのです。

このような理由から、不登校の子に対して「自分ができたから相手もできる」と考えてしまうと、追い詰めてしまう結果になってしまいます。

そのため、まずは親御さん自身が、【自分と相手(たとえ我が子であっても)とは違う人間で、感じ方もやれることも違う】という考えをベースに保つことが大切です。



NGな声掛け②親や兄弟、他人と比較する

続いては親子間にみぞを作り、兄弟間でコンプレックスを作るNGな声掛けとして、親や兄弟、他人と比較することがあげられます。

もちろんこれら比較の言葉は、お子さんをやる気にさせようとして使うのですが、『不登校』という、世間的に見て弱点を抱えるお子さんに対しては完全に逆効果です。

それにお子さんが親御さんに他人と比較され、他人のほうが優れていると聞いたら…、お子さんはとても哀しく感じてしまいます。

冒頭にもお伝えしたように、不登校を克服するためには親子間での信頼が大切なはずなのに、「お父さんもお母さんも、自分を大切に思っていないんだな」と、気持ちが離れてしまいます。

もちろん親御さんの世代では一般的に行われていたこともあるので、「他人に負けるか!」と思い頑張れたかもしれませんが、このような声掛けは、現代では完全にマイナス行動になるため注意しましょう。



NGな声掛け③学校の情報を共有してしまう

不登校初期の状態で、学校に行くのが本当に嫌なのに、学校の情報を親御さんが共有してしまうと、逆効果の声掛けになってしまいます。

親御さんとしては、なんとか学校に行ってもらいたいので、楽しそうな話題を提供するのですが、不登校の子は学校の話題を嫌います。

ここで重要なのは、親御さんから学校の情報を共有するのではなく、お子さんの方から「最近、学校ってどうかなぁ?」と聞かれた時だけ、情報を共有することです。

たとえば、「定期テストっていつかな?」「運動会は今年は何日だろ?」と聞かれたら、答えてあげるだけにしてください。

というのも、人間は自分が興味のある情報を知ると嬉しくなりますが、嫌な情報を聞かされても、頑なに聞こうとしませんし、拒絶反応さえ出してしまいます。

ですから、親御さんの負担は増えるのですが、お子さんが学校に行きたくなる情報を常に更新し、聞かれた時にきちんと答えられるようにしておきましょう。



NGな声掛け④学校に行くことを強制する

当たり前かもしれませんが、学校に行くことを強制するのも、お子さんが不登校を継続する声掛けになります。

学校に行くことを強制する声掛けには、次のような遠回しな表現も含まれるので注意しましょう。

● 学校で〇〇があるみたい
● 〇〇くん最近頑張ってるって

このように語尾に「だから学校に行ってみない?」という言葉が見え隠れする声掛けは、親御さんが学校に行ってほしいという思いが反映されているので、NGになります。

お子さんは親御さんと長い年月を過ごしているので、言葉の裏側にまで気づいてしまうことを念頭においてください。



NGな声掛け⑤なんで?と詰問してしまう

また詰問も、してはいけない声掛けです。

詰問とは、「なんで?」「どうして?」といった声掛けを指していて、お子さんに対してプレッシャーを掛けてしまいます。

プレッシャーはストレスであり、たとえば「なんで宿題ができないの?どうするの?」と詰問されたからやることを決めたとなると、お子さんが動く動機は恐怖になってしまいます。

基本的に人間は恐怖から逃げようとするものなので、勉強効率もあがらず、不登校中の自宅学習にも力が入らなくなってしまいます。

さらに「なんで学校に行かないの?」といった詰問をしても、お子さんにはどうしようもできないことなので、余計にストレスが掛かり、再登校への道は遠ざかってしまいます。



NGな声掛け⑥学校に行かない対価を要求してしまう

ちなみに学校に行かない対価を要求してしまうのも、先ほどお伝えした、お子さんがどうしようもできないことに当てはまります。

例えば、「学校に行かないのであれば働きなさい」という、多くのご家庭で言われている言葉があります。

この言葉は学校に行ける状態のお子さんであれば対価を回避できますが、不登校のお子さんがこれを言われたら、「本当に働くしかない」と逆に追い詰められてしまうのです。

親御さんとしては、やる気を出してほしいと言う思いから声掛けしているのだと思いますが、対価を求める声掛けはお子さんの逃げ道をふさいでしまうのでNGです。



NGな声掛け⑦人格否定する言葉を投げかける

最後は、人格否定をする言葉を投げかけることです。

人格否定とは、「だからあなたはダメなのよ」といった声掛けを指しています。

親御さんの感情が高ぶった時に現れる言葉ではあるのですが、逆に親御さんの仕事場でこの言葉を伝えられたらどうでしょう?

法的な考え方ができる親御さんであれば、「パワハラなのでは?」「人権侵害だ」と思ってしまいますよね・

なのに、この言葉をお子さんに伝えることは、親御さんだからと言っても許されることなのでしょうか?

答えは絶対にNOですよね。

ですから、人格否定する言葉は、どれだけ親御さんの感情が高ぶっていたとしても伝えてはいけないのです。



不登校のお子さんが前向きになる声掛け以上に必要なもの

ここまで不登校のお子さんが前向きになる声掛けとNGな声掛けについて詳しく解説してきましたが、ここからは声掛け以上に、お子さんについて必要なものを解説していきます。

具体的には、次のような考えや環境が必要です。

● 親御さん自身が現状を受け入れていること
● お子さんを第一に考えること
● 親御さんが学校と連携できていること
● 家庭に再登校に向けた環境が整っていること

それぞれ解説していきます。



声掛け以上に必要なもの①親御さん自身が現状を受け入れていること

声掛け以上に必要なものの一つ目は、親御さん自身が『お子さんが不登校になっている』という現状を受け入れている状態です。

仮に、この不登校になっているという現状を受け入れられないと、お子さんを無理やり学校に連れて行こうとして、不登校を悪化させてしまいます。

基本的に不登校やその他の障害を乗り越えるためには、親子間で今の現状を受け入れて、どう改善していくのかを考えるのが大切です。

例えば、数学のテストの成績が悪いという事実を受け入れれば、家庭教師の先生や塾に通うといった改善策が見えてきますよね。

このように、目の前の問題はそれを認め改善していくからこそ解決するものなので、不登校の現実をきちんと受け止めて、親子間で「不登校になっているから、再登校するためにどうするのか」を考えていく必要があります。



声掛け以上に必要なもの②お子さんを第一に考えること

続いて大切なのは、お子さんを第一に考えることです。

冒頭部分から繰り返しお伝えしていますが、お子さんが再登校するための自信をつけるためには、自己肯定感を高めて、「やればできる」という状態を作り上げなければなりません。

そのためには、お子さんに無限の可能性があることを親御さんが認め、信頼することが大切です。

最初はできなくても、「努力すればきっとできる!」と、親御さん自身が信じてあげましょう。



声掛け以上に必要なもの③親御さんが学校と連携できていること

また、親御さんが学校と連携できていることも大切です。

学校と連携できているとは、学校の行事をきちんと知っていて、お子さんから聞かれた時に伝えられる状態を指しています。

冒頭部分でもお伝えしましたが、学校行事を知っていたとしても、お子さんから聞かれるまでは口に出さないほうがいいです。

とはいえ、提出物で必要なものがあるのであれば、情報共有して提出させましょう。



声掛け以上に必要なもの④家庭に再登校に向けた環境が整っていること

最後は、家庭に再登校に向けた環境が整っていることです。

具体的には、次の環境がご家庭内で準備できているかを確認しましょう。

● 学習環境
● 家族の仲がいい
● 何でも相談できる場所

この三点が揃っていれば、問題はありません。

お子さんが再登校になったあとも、きちんと学校の勉強についていけるようになっていて、学校で嫌なことがあったとしても誰かに相談できるれば、再登校後の不登校再発防止になります。



不登校のお子さんを前向きにする声掛けの裏側に何が必要?

不登校のお子さんを前向きにできる声掛けはこれから意識していけばよいのですが、NGな声掛けの中には、今まで親御さんが言ってしまったことがあると思います。

「ええー、どうしよう…」と思ってしまった親御さんもいると思いますが、親子間の絆は一度失言をしたくらいで簡単には崩れませんし、気を遣いすぎるのもいけません。

お子さんと親御さんが歩み寄り、きちんと話ができる環境が整っていれば、不登校から再登校に向けた課題は解決していくことができます。

とは言え、一度傷ついてしまった心を癒すのは時間がかかるものです。

親御さんは決して焦らず、お子さんに寄り添いながらゆっくり体制を立て直してあげることを心がけてください。

私たちのサイトでは、お子さんと親御さんに役立つ、『勉強』『学校生活』『教育』などの様々な情報を取り扱っています。『不登校』『発達障害』の記事も沢山あるので、興味がある方はぜひ参考にしてみてくださいね。

この記事の著者

中城 宏介 / 不登校訪問専門員

こどもの頃はわがままな性格。好きなものや得意なもの以外は、いつも遠ざけていました。勉強はとにかく苦痛でした。あれこれ試してみたものの、どれも性に合わず高校受験では失敗…。その挫折から「もっと勉強しておけば」と気持ちを切り替え、高校では勉強に奮起し大学へ進学。大学卒業後、「家庭教師のあすなろ」に入社し不登校訪問専門員の資格を取得。勉強が苦手、不登校で勉強に自信がない、そんなお子さんの笑顔のために、自分ができることを全力で取り組んでいきます。

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