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ADHDの子が掃除できない理由と、掃除できるようになる対処法
2022.10.04

「どうしてこんなに部屋が汚いの!?」と、いつもお子さんに怒鳴っていませんか?
ADHDの子は、掃除が苦手と言われています。発達障害に限らず、自分の部屋を掃除をしないお子さんについて、お悩みのお母さんは少なくありません。
今日は、ADHDの子が掃除が苦手な理由と、掃除をできるようになる方法についてお伝えします。
ADHDの子が掃除ができない理由
理由その1:一度に複数の事を行うのが困難
普通に掃除や片付けができる人にはわからないかもしれませんが、実は掃除とは、いっぺんに数個の行動をおこなわなければなりません。
例えば、散らかった机を綺麗にするためには、
・机の上に散らかっているものを片付ける
・片づける際には、所定の場所へしまう
・ホコリをとるために雑巾を用意する
・拭き掃除をする
と、これらの流れを自分で考え、実行していかなければなりません。
一連の流れのように感じますが、このような複数の行動が重なって掃除は完了します。ADHDの子には、この複数の段取りを考えるのも難しいですし、行動を一度に行うのが困難なのです。
理由その2:掃除に集中できない
頭のなかも多動と言われるくらい、ADHDの子は多動状態が続いています。
誰でもそうですが、部屋の中をウロウロ歩きまわってしまうほど落ち着かない時、掃除をする気持ちにはならないですよね。そんな状態が、ADHDの子のなかではずっと続いているのです。
また落ち着かない状態で掃除を始めたとしても、ADHDの子は、すぐに別の考えが思い浮かんでしまいます。
ADHDの子が掃除できるようになる対処法
ADHDの特性といっても、掃除ができないままでは困りますよね。大人になっても掃除ができないままであれば、ゴミ屋敷を作ってしまいます。
少しでも掃除ができるようになる工夫についてお伝えします。
掃除ステップ①:使ったものは、片づける習慣を作る
使ったものが片づけられないと、部屋が散らかるばかりです。何か使ったら、すぐに片づける習慣を作っていきましょう。
友人とDVDやマンガなどを貸し借りするようになると、「借りたものなのに見つからない」という事態に発展してしまいます。
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掃除ステップ②:ゴミはゴミ箱に捨てる
「あたりまえじゃない!」と思われるかもしれませんが、ゴミをゴミ箱に捨てる行動がADHDの子には難しい場合があります。
なぜなら、これはゴミで、これはゴミじゃないという区別が難しいからです。
「コンビニで買ったお弁当箱はゴミ」「封を切ってない割りばしはとっておく」など、ご家庭の中で話し合ってルールを決めていきましょう。
掃除ステップ③:掃除の段取りを紙に書く
いくつもの行動が重なっていくことで掃除は完了しますが、ADHDの子には、覚える内容が多すぎて、頭のなかがパニックになってしまう可能性があります。
言葉だけで伝わらないときは、紙に書いて、流れを掲示してあげるようにしましょう。
机回りを掃除させたいなら、
・今いるモノといらないモノの分類
・いるものは決まった場所に片づける
・いらないモノはゴミ箱に捨てる
・雑巾を用意する
・机とその周辺の汚れを取る
このように書いた紙を貼ってあげましょう。
目で確認できた方が、お子さんもスムーズに掃除に取り組めるはずです。
ADHDの子の掃除は、一つひとつ丁寧に教えてあげれば少しずつできるようになります!
気持ちよく生活していく為は、掃除が必要です。子どものうちは親がやってくれるかもしれませんが、大人になってから困るのはお子さん本人です。
大人になってから習慣を作るのは、難しい場合が多いので、親御さんが指導してあげられる年齢のうちに、ぜひとも掃除ができるよう段取りを教えてあげてください。
いっぺんに教えられたのではお子さんもイヤがります。机の掃除、部屋の掃除、トイレ掃除、お風呂場掃除…と一つひとつ教えてあげてください。
お父さんまで掃除ができないようなら、ご家族みんなで週一回は掃除する時間を作ってしまいましょう。教えるお母さんはイラつくかもしれませんが、辛抱強く教えてあげてくださいね。
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