支援のコツ
2021.01.19
勉強ができない本当の理由は、ワーキングメモリが原因!?家庭でできるワーキングメモリ改善法

「さっき言ったこと、まだやってないの?」
「どうして人の話をちゃんと聞けないの!?」
「また忘れ物?昨日ちゃんと確認しなさいって言ったでしょ!」
お子さんに対して、こんなことをよく言っていませんか?
思春期のお子さんにはいろいろ理由があると思いますが、その理由のひとつに「ワーキングメモリ」が影響していることが考えられます。
お子さんは決してわざとやっているのでありません。
「ワーキングメモリが低い」子は、聞いた話の情報をうまく処理できないのです。
ワーキングメモリって何をするところ?
ワーキングメモリとは、認知心理学において、記憶を一時的に保持しておき、その情報をうまく処理する能力と言われ、作業記憶、作動記憶とも呼ばれています。
誰かとおしゃべりするとき、日常のさまざまな事を行うときにも、ひんぱんに使われます。
※認知心理学とは…情報処理の観点から、生体の認知活動を研究する心理学
例えば、帰宅したお子さんに
「今日のお弁当おいしかった?お弁当箱はちゃんとキッチンに出してね」と声をかけたとします。
すると「お弁当はおいしかったかの質問に答える」「お弁当箱を出す」という2つの情報を処理しなければなりません。
「今日のおかずはまぁまぁ」と答えつつ、「お弁当箱をカバンから出し、キッチンへもっていく」ということをしなければならない訳です。
でも、ワーキングメモリが低いと、「質問に答える」ことだけがワーキングメモリに入り、「お弁当箱」のことは入らないのです。
決して、お母さんの言うことを聞いていない訳ではありません。
ワーキングメモリが低いと起こる、こんなこと
ワーキングメモリの能力は人によってさまざまです。髪や目の色のように、みんな違います。ですから、一人ひとりの個性ではあるのですが、やはり困ることが出てきます。
- 情報を記憶しておくことができず、忘れやすい
- 一度に2つ以上のことをうまくこなせない
- 相手の言うことが全部頭に入らず、誤解されてしまう
勉強なら「ややこしい計算問題」や「文章を理解する」というようなことは苦手です。
また会話では、先程のお弁当箱のようなことが起こってしまいます。
お子さんに声をかけたお母さんとしては「お弁当箱を出してって言ったのに!」となってしまうからです。
ですから「あれ?うちの子ワーキングメモリが低いのかしら?」と気づいたら、日常の中で工夫していくことが大切なのです。
ワーキングメモリの負担を減らして、親子関係をスムーズに!
一番の工夫は、まず
■ 一度にたくさんのことを言わない
こと。
会話の中でも「お弁当おいしかった?」「うん、まぁまぁかな」という会話が終わったら「お弁当箱を出してね」と伝えればいいのです。
これを毎日繰り返していると「お弁当箱を出す」という記憶は、日常生活の中で長期記憶として残ります。
ですから、次の工夫は、
■ 繰り返し行う
これにつきます。
なぜなら長期記憶された情報が増えれば、日常の中の困りごとはひとつずつ減っていくからです。
勉強も同じ。
ややこしい計算式にはじめは戸惑っていても、何回も繰り返せば、長期記憶に残ります。そうすればスラスラと解けるようになるので、焦りは禁物。
文章問題であれば、一度に長文を理解できなくても「少しずつ読み進む」「何回も繰り返し読む」ことによって、何が書いてあるのかわかるようになるのです。
そして成長していく中で、お子さんも自分なりに「言われたことはメモに残す」などと工夫していくようになります。
決して叱ったりせず「どうしたらできるか?」というちょっとした工夫を、お子さんと一緒に考えながら実行していく。
そうすれば「勉強ができない」悩みは、少しずつ解消していきます。
「しょっちゅう忘れ物をしてしまう」など、日常生活を送る上での困りごとも、解決するための自分なりの工夫が生まれれば、問題も少しずつなくなるはずです。
家庭教師はお子さんの気持ちに寄り添った、きめ細やかな指導ができます!
ある一つのことが苦手であるだけで、学校や塾では「まじめに話を聞かない」「怠けている」という見方をされがちです。
これではあまりにお子さんが可哀想です。
勉強のやる気が出ないだけでなく「自分はなんてダメなんだろう」「どうせやっても出来ない」と自信まで失ってしまいます。
家庭教師なら、ご家庭の現状やお子さんの状況を良く伺った上で、その子に合った指導を進めることができます。これは家庭教師の一番の強みです。
その子の特性に合った指導をしてあげることで、驚くほど理解が深まります。そして、やる気を引き出し成績を大きく伸ばせることを、今までの長い実績の中で実感しています。
家庭教師はお母さんの不安を解消し、お子さんが「これならできる!」と思えるピッタリの勉強のやり方を見つけることができます。
お子さんのことで少しでも不安に思うことがありましたら、まずは私たちにご相談ください。
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