勉強しているのに身につかない?グレーゾーンの中学生を支える学び方

「勉強しているのに、なかなか覚えられない」
「授業はわかっていると言うのに、ワークになると手が止まる」
「発達障害のグレーゾーンかもしれないけれど、どんな勉強法を選べばいいの?」
中学生のお子さんの勉強について、こんな不安を感じていませんか。
グレーゾーンと言われる中学生の勉強では、診断名から勉強法を決めるより、「内容を理解する」「読んで書く」「順番を決めて進める」のどこに負担があるかを確認することが大切です。
例えば、数学の答えを口では言えるのにノートに書くと止まる場合と、そもそも計算の意味がわからない場合では、必要なサポートが違います。
この記事では、同じ問題を使った「つまずきの見分け方」、教科別の小さな工夫、帰宅後の家庭学習、保護者の声かけを紹介します。「グレーゾーン」は正式な診断名ではありません。診断の有無にかかわらず、本人に合う学び方を探すための内容です。
『勉強が苦手』な子専門で36年の家庭教師あすなろの体験授業を受けてみませんか?
あすなろでは、どこよりもお子さんの気持ちに寄り添い、勉強が苦手な子にとって最高の勉強法を教えています。
まずは、家庭教師のあすなろのホームページをご覧くださいね。
まず結論|勉強法を変える前に「止まる場所」を見つけよう
「勉強が苦手」という言葉には、いくつもの状態が含まれます。
- 内容がわからない:説明を聞いても、問題が何を求めているか理解できない。
- 読む・書く作業に負担がある:聞けば答えられるのに、問題文を読むことや答えを書くことに時間がかかる。
- 勉強の段取りが難しい:解けそうな問題はあるのに、何から始めるか決められない。
- 疲れや不安が強い:学校では取り組めても、帰宅後には余力が残っていない。
最初から全部を改善しようとせず、今日の課題でいちばん大きな負担を一つ選ぶのがおすすめです。「本人が努力していない」と決めつけず、できる条件を探していきましょう。
国立特別支援教育総合研究所の発達障害教育推進センターも、課題をやり遂げられない場合には、指示の理解、取り組み方、注意の持続などを分けて要因を把握し、課題の量や提示方法を調整する支援を紹介しています。
参考:発達障害教育推進センター「指示に従って、課題や活動をやり遂げるための指導・支援」
グレーゾーンの中学生が勉強で困るのは、どんなとき?
グレーゾーンという言葉は、発達特性が気になるものの診断がついていない状態などを指して使われます。ただし、医療上の正式な診断名ではなく、使い方は一定ではありません。
また、学習の困難さが必ず発達障害によるとは限りません。授業で習った基礎が抜けていること、睡眠不足、学校でのストレス、学習環境など、複数の要因が関係する場合があります。
授業中は理解しているようでも、家のワークが進まない
先生の説明を聞いているときはわかっていても、一人で問題を解くには「問題を読む」「方法を選ぶ」「答えを書く」という別の作業が必要です。
「授業はわかると言っていたのに」と責める前に、例題を見ればできるのか、解説なしでもできるのかを分けて確かめましょう。
教科や作業によって、得意・不得意の差が大きい
口頭の説明は得意でも、長い文章を読むと疲れる。暗記はできても、ノートをまとめるのに時間がかかる。こうした差があると、教科の内容以外の作業が負担になることがあります。
だからこそ、5教科すべてに同じ勉強法を当てはめる必要はありません。本人が使いやすい方法で内容を理解したうえで、必要な技能を別に練習する方法が考えられます。
勉強を始める・切り替えることが負担になる
「今日中に数学をやってね」という声かけだけでは、教材・ページ・問題を選ぶところで止まることがあります。反対に、好きな教科だけに時間を使い、ほかの教科へ切り替えられない場合もあります。
課題を小さく分け、取り組む順番と終わりを示すことで負担が減るか、本人と相談して試します。
同じ問題を「読む・話す・書く」で確かめる3ステップ
家庭での最初の確認に使いやすいのは、簡単な問題を一つ選び、答え方を少しずつ変える方法です。これは医療や心理の検査ではありません。本人を試すためではなく、学習しやすい条件を探すための方法です。
STEP1.本人が問題を見て、何をするか説明できるか
例えば中1の数学で「3x+4=16」という方程式を使います。
まず本人が問題を読み、「xを求める問題だ」と説明できるか確認します。文字や式の読み方が難しければ、大人が読み上げても構いません。
STEP2.式の意味を口頭で考えられるか
「16から4を引くと12」「3つ分で12だから1つ分は4」と、考え方を言葉で説明できるか確認します。答えはx=4です。
口で説明できない場合、方程式の意味や前提となる計算が難しいのかもしれません。そのときは、答えを急がず「16−4」など、わかるところから確認します。
STEP3.同じ考えを紙に書くと、何が変わるか
口頭では説明できても、数字や文字を書くと止まる場合があります。書く位置がわかりにくいなら、途中式を一行ずつにする、大きめの用紙を使うなどの工夫を試せます。
反対に、読み上げても意味がわからなければ、書く工夫より先に学習内容の理解を確認する方が適切かもしれません。
「聞けばわかった」「口では説明できた」「書くと難しかった」と、できた条件を記録することが大切です。一回の結果で原因を決めつけず、本人の疲れや問題の難しさにも注意してください。
つまずき別|家庭で変えられる勉強の進め方
困りごとが少し見えてきたら、一度に多くの教材を買い足す前に、学校の教科書やワークを使って方法を調整しましょう。
問題の意味がわからないときは、前の「必要な一部分」に戻る
数学の方程式が難しい場合は、正負の数、文字式、逆算など、どこで理解が止まったかを確かめます。英語の過去形がわからないなら、主語・動詞の語順や現在形の基本文へ戻ることもあります。
学年を最初から全部やり直すのではなく、今の授業を理解するために必要な一つの基礎を選びましょう。
読むことが負担なら、短く区切って内容を確認する
問題文を一文ずつ読む、必要に応じて読み上げる、条件に線を引くなどの方法があります。たとえば「なぜそうなったか説明しなさい」という問題では、「何について」「何を答えるか」を先に確かめます。
発達障害教育推進センターは、読解が難しい場合、どの文字や文章で困っているかを調べ、重要部分への印や段落の関係の図示などを支援方法として紹介しています。
参考:発達障害教育推進センター「文字や文章を読み理解する能力を高めるための指導・支援」
書くことが負担なら、考えを口頭で整理してから短く書く
答えを文章にするのが難しい場合、「何が起きた?」「どうして?」を先に話してもらい、キーワードを二つ書いてから短い文にします。
ノートを写すことが大きな負担なら、重要な語句だけを記録する、学校から資料を提供してもらえるか相談するなどの選択肢もあります。学校の課題やテストの形式を変更するときは、先生との確認が必要です。
何から始めるかわからないときは、最初の動作を指定する
「理科を勉強しよう」ではなく「理科ワークの8ページを開こう」、さらに「1番の問題を一緒に読もう」と具体的にします。
終わりの目安も「基本問題を一つ試して、わからない場所に印を付けたら終了」と決めると、見通しを持ちやすい場合があります。本人が選べる部分も残しましょう。
疲れや不安が強いときは、勉強量より状態の確認を優先する
帰宅直後は学校生活で疲れている場合もあります。休憩のあとなら取り組めるか、静かな場所なら負担が減るか、本人に尋ねてみましょう。
心身の不調が続くときや強い拒否があるときは、無理に課題を進めるのではなく、学校や相談機関への相談を優先してください。
5教科は「今日の授業に必要な一つ」を選んで勉強する
すべての教科を同じように進めなくても構いません。各教科で「内容の理解」と「その教科で負担になりやすい作業」を分けて考えます。
数学|計算の理解と、数字を書く位置を分ける
例えば「-3+8=5」を考えるときは、数直線で位置関係を確かめる方法があります。考え方はわかるのに筆算で位がずれる場合は、用紙のマス目や途中式の書き方を工夫します。
一度に10問解くより、まず同じ型を1〜2問試し、考え方を説明できるか確かめます。
英語|聞く・意味をつかむ・読む・書くを別々に試す
「He plays soccer.」という基本文なら、聞いて意味を言えるか、Heとplaysの関係を説明できるか、つづりを書けるかを分けてみます。
意味や語順を理解しているのに書くことだけが負担なら、家庭では単語カードを並べて文を作るなどの方法で理解を確認し、書く練習は少量ずつ行う方法があります。
国語|文章の内容と、記述する作業を分ける
段落を短く区切り、「誰の話?」「何が起きた?」を確認します。記述問題では、本文の根拠を指で示してから、短い言葉で答えを組み立てましょう。
読み上げなら理解できる場合でも、それだけで読解の苦手さの原因は判断できません。読む力そのものをどう支えるかは、学校とも相談できます。
理科・社会|用語を覚えるだけでなく、意味を言えるか確かめる
理科なら図を見ながら「この部分は何をするところ?」、社会なら地図や年表を見ながら「どこで・いつ・何が起きた?」と短く確認します。
教科書を読み返すだけでなく、いったん隠して答えられるかを試します。答えられなかったところだけ戻ると、学ぶ場所を絞りやすくなります。
5教科の基礎をどこからやり直すか詳しく知りたい場合は、あすなろの「中学生で勉強ができない…何から始める?」も参考にしてください。この記事では、その勉強法を本人の負担に合わせて調整することを中心に紹介しています。
帰宅後の勉強は「いつ・何を・どこまで」を本人と決める
計画表を作っても続かない場合、目標が大きすぎるか、開始する条件が合っていない可能性があります。まずは一日の流れをシンプルにしてみましょう。
【家庭学習の一例】
- 学校から帰ったら休む時間を確保し、体調を確認する。
- 今日の授業・ワークから「今、取り組めそうな問題」を一つ選ぶ。
- 例題を確認して、本人が使いやすい方法で一問解く。
- 難しかったところに印を付け、翌日の確認につなげる。
- 終わったら「何ができたか」「どの方法が楽だったか」を短く振り返る。
例えば最初は10分ほどの学習を試しても構いません。ただし、10分は例であり、すべての中学生に適した標準時間ではありません。体調や宿題の量、現在の理解度に合わせて調整しましょう。
余裕がある日と、疲れている日で目標を変える
- 余裕がある日:例題を確認し、同じ型を2問解いて答え合わせをする。
- 疲れている日:例題を読む、先生に質問したい問題を一つ選ぶなど、負担の軽い確認にする。
- 体調が悪い日:休息を優先し、必要なら学校の課題について相談する。
「昨日できなかった分を今日2倍」という埋め合わせは、負担が大きくなることがあります。学習の予定を守ること以上に、続けられる条件を見つけることを大切にしてください。
勉強が進んだかは「時間」より三つの記録で確かめよう
保護者が毎日つきっきりで教えなくても、短いメモで次に必要なサポートを整理できます。
記録するのは次の三つです。
- 何をした:数学ワークの「正負の数」の基本問題を一問解いた。
- どこまでできた:式の意味は口で説明できたが、途中式を書くところで止まった。
- 次に変えること:数字を書く場所を示した用紙で、同じ型をもう一問試す。
これは架空の記入例です。実際の指導事例や効果を示すものではありません。
記録は点数で評価するためではなく、翌日に同じ失敗を繰り返す負担を減らすために使います。「すぐには点数に出ないけれど、自分から質問できるようになった」など、学習への取り組みやすさの変化も確認しましょう。
宿題や定期テストで困る場合は、家庭学習と分けて考える
家では問題を理解できても、学校ワークのページ数が多い、提出期限を把握しにくい、テストの問題文を読むのに時間がかかるなど、学校ならではの困難があります。
- 宿題が終わらない:課題の量と理解度を確認し、どこまでなら取り組めるかを整理する。
- 提出物を出し忘れる:完成・持参・提出を分け、学校で思い出せる方法を相談する。
- テストで実力を出しにくい:内容の理解と、読む・書く時間や解答方法の負担を分けて確認する。
例えば、文章を読むことに著しい負担がある場合、教材の提示方法や読み上げなどを学校に相談できることがあります。ただし、学校のテストでの利用方法や配慮は本人の状況に応じて個別に検討されます。
参考:発達障害教育推進センター「学習障害(LD)のある子どもの合理的配慮」
保護者の声かけは「がんばって」よりも、困った場所を聞こう
心配だからこそ「もっと勉強して」と言いたくなることもありますよね。でも、どこで困っているか本人も説明できない場合、努力を求めるだけでは次の行動が見えにくいことがあります。
- 「どうしてこんな問題もできないの?」→「問題の意味と、答えを書くところ、どちらが難しい?」
- 「ちゃんと復習して!」→「今日の授業で、一つだけ確認するとしたら何にする?」
- 「昨日も勉強しなかったでしょ」→「昨日は疲れていた?今日はどの時間なら取り組めそう?」
- 「何で間違えたの?」→「どこまでは合っていたか、一緒に見てみよう」
本人が話したくないときは、無理に聞き出さなくて構いません。小さな選択肢を示し、本人が「これならできる」と感じる方法を一緒に考えてください。
一方で、保護者が学習のすべてを管理する必要もありません。親子で勉強の話をするたびにぶつかる場合は、学校や外部の学習支援者に役割を分けてもよいのです。
診断がなくても、学習の困りごとは学校に相談できる
グレーゾーンという言葉だけで、お子さんの学び方や支援の必要性は決まりません。 医学的な診断の有無だけにとらわれず、学校で具体的に何に困っているかを伝えることが大切です。
文部科学省は、発達障害等の可能性がある段階から教育的ニーズに気づき、支援につなぐためのガイドラインを公開しています。
参考:文部科学省「発達障害等の可能性の段階から、教育的ニーズに気付き、支え、つなぐために」
先生には「できないこと」と「できた条件」をセットで伝える
例えば、次のように相談できます。
「いつもお世話になっております。家庭での学習についてご相談です。数学の問題は読み上げて一緒に考えると答えを説明できることがありますが、一人でワークを開くと取りかかれず、途中式を書く際にも時間がかかります。家庭では、問題を一つに絞り、途中式を一行ずつ書く方法を試しています。学校でもどの場面で困っているのかを共有し、本人が取り組みやすい方法を一緒に考えられないでしょうか。」
これは想定例です。実際には本人の状況に合わせて書き換えてください。
担任、教科担当、特別支援教育コーディネーターなどに相談し、通常の授業での工夫や必要な支援について話し合えます。合理的配慮の具体的な内容は、本人の状況と学校との協議によって異なります。
勉強だけでなく睡眠・食欲の変化や強い不安、登校へのつらさが続く場合は、勉強法の調整だけで対応しようとせず、スクールカウンセラーや医療・相談機関への相談も検討してください。
グレーゾーンの中学生の勉強について、よくある質問
Q.グレーゾーンなら、普通の問題集では勉強できませんか?
そんなことはありません。まず学校の教科書やワークを使い、量・提示方法・解答方法を調整してみましょう。本人に合わない場合は教材を変える選択もありますが、「グレーゾーンだから専用教材が必須」とは言えません。
Q.勉強時間は毎日何分必要ですか?
一律の正解はありません。学校の課題、学習内容、体調や疲れ方によって変わります。最初は一問などの小さな課題から始め、理解を確認しながら調整してください。短時間の例は、すべての子に十分な勉強量を保証するものではありません。
Q.勉強しているのに、すぐ忘れてしまいます。
説明を読んだときにわかったことと、後から自力で答えられることは違います。解説を閉じて一問答える、翌日もう一度試すなど、少数の問題で確認しましょう。記憶の苦手さだけで発達障害やワーキングメモリの状態を判断することはできません。
Q.学校の授業と家庭学習、どちらを優先した方がいいですか?
二者択一にする必要はありません。家庭では、今の授業についていくために必要な基礎を一つ確認する方法があります。ただし、宿題や定期テストが迫っている場合は優先順位が変わるため、本人の理解度と学校の予定を見ながら調整しましょう。
まとめ|「できない理由」ではなく「できる条件」から勉強法を選ぼう
グレーゾーンと言われる中学生の勉強では、特定の診断名や勉強法に当てはめるより、どの作業で負担が大きいか、どんな方法なら理解を示せるかを確かめることが大切です。
- 同じ問題を「読む・口で説明する・書く」に分けて確認する。
- 内容が難しければ、今の授業につながる基礎へ戻る。
- 読む・書く負担がある場合は、提示方法や練習量を調整する。
- 何から始めるかわからない場合は、最初の一問を具体的に決める。
- 家庭だけで難しいときは、できた条件を学校と共有する。
今日の一歩として、学校のワークを一問だけ選び、「どの方法なら取り組みやすかったか」を本人と確かめてみてください。難しかった場合も、次に変える方法が見つかれば大切な手がかりになります。
「うちの子に合う勉強の進め方」を、あすなろと一緒に考えませんか?
「一緒に説明するとわかるのに、一人ではワークが進まない」「どこまで戻って勉強すればよいかわからない」「親が教えるとつい言い合いになる」――そんなときは、学習を支える人と進め方を整理する方法もあります。
家庭教師のあすなろでは、発達特性や学習の困りごとが気になるご家庭に向けたサポートを案内しています。学校の授業やお子さんの理解度に合わせ、指導日以外の学習予定も整理する予習復習計画帳があります。本人に合う使い方を考えることが大切です。
詳しくは、発達特性のあるお子さんへの学習サポートをご覧ください。今の勉強の困りごとを相談したい方には、体験授業の案内もあります。
発達障害サポート資料

この資料でわかること
- 発達障害の子を伸ばす教育とは?
- 特性に合わせた具体的な教え方
- よくある困りごとと対応例 など
発達障害の専門家が監修!お子さんをぐーんと伸ばす接し方を徹底解説
この一冊で、特性ごとの勉強の悩みがスッキリ解消!
教え方に困った時にスグに対応できる!







