子どもへの対応

【実例つき】不登校の原因ランキングTOP10見落としがちなサインとは?

この記事の著者

曽根 大樹 / 家庭教師のあすなろ 事務責任者

お子さんに登校しぶりがある、毎朝起きられなくて学校を休みがちなど、不登校の気配を感じていても、親御さんとしては、「そのうち元気になるでしょ」と軽く受け取りがちです。

不登校の初期段階であることを親御さんがすんなり認めるのは、「まさか、うちの子が不登校???」という想いがあるので、とても難しいことなんです。

ですが、不登校は特別な家庭やお子さんに起きるものではなく、どの子にも起こりうる問題。

そこでこの記事では、不登校の代表的な原因をランキングで紹介し、親御さんが見落としがちな『不登校のサイン』や、その背景にあるお子さんの気持ちを具体的に解説していきます。

子どもが発している小さなSOSに気づくことが、サポートの第一歩になります。この記事を参考に、できるだけ早めにお子さんの異変に気付いてあげてください。

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もくじ

不登校の原因ランキングTOP10 【実例と子どものサイン】付き

お子さんの抱えている悩みや問題を紹介していきます。このような気配を感じたら「危ういかも?」と察して、注意深くお子さんの様子を観察してみてください。

第1位:友人関係の悩み(いじめ・無視・孤立)

「最近、一緒にいた子と話さなくなったな…」と思っていたら、教室で無視されていたというケースも。不登校の最も多い原因の一つです。

実例
中1男子。仲良しだった友人に突然無視されるようになり、周囲も巻き込んで孤立。「教室に行くだけで緊張して、動悸がする」と訴えるように。

子どものサイン
・「学校に行きたくない」と言うようになる
・持ち物がなくなる/壊される
・表情が暗くなる
・登校前だけ、お腹や頭が痛くなる(午後には治る)

第2位:勉強が難しくて授業が苦痛に

理解できない授業が続くと、自己肯定感が下がり、「どうせわからないから行きたくない」と感じ始めます。

実例
小6女子。算数が苦手で「手をあげられない」「先生に当てられたら怖い」と話すようになり、登校を嫌がるように。

子どものサイン
・先生の名前が会話に出るとピリッとする
・「先生が怖い」「〇〇先生は嫌だ」と言う
・学校の出来事を話さなくなる

第3位:「学校が怖い」と感じてしまう(感覚過敏・HSP傾向)

人混みや大きな音に敏感な子は、教室にいることそのものが苦痛に。特に発達特性のある子に多く見られます。

実例
中2男子。チャイムの音が苦手で、給食の匂いや人の視線にも敏感。家では元気なのに、学校の話になると表情が固まる。

子どものサイン
・「授業がわからない」「つまらない」とこぼす
・宿題をやろうとしない
・テスト前に極端に不安がる/投げやりになる

第4位:先生との関係性に疲れる

厳しすぎる先生や、逆に頼りない先生に不信感を抱いてしまい、学校全体への不安へとつながるケースもあります。

実例
小5女子。先生に怒られたことをきっかけに「先生は私のこと嫌いなんだ」と思い込み、学校に行けなくなる。

子どものサイン
・毎朝「具合が悪い」と言う
・病院では異常なしと診断される
・夕方には元気になる(起立性調節障害の可能性も)

第5位:家庭でのプレッシャーや親の不安

「ちゃんと勉強しなさい」「みんな行ってるんだから行きなさい」などの言葉が、子どもにはプレッシャーに感じることも。

実例
中1男子。受験や成績に対する親の期待が大きく、「どうせ僕はできない」と自分を責めるようになり、朝になると腹痛を訴えるように。

子どものサイン
・集団行動を嫌がる
・校則や決まりごとに反発する
・「学校の空気が苦手」「学校って合わない」とつぶやく

第6位:生活リズムの乱れ(夜型・ゲーム依存など)

夜遅くまでスマホやゲームをしていると、朝起きられなくなり、不登校に繋がることがあります。気づかないうちに昼夜逆転していることも。

実例
中1女子。深夜までSNSや動画を見ているうちに昼夜逆転。朝起きられずに遅刻を繰り返し、やがて登校しなくなった。

子どものサイン
・朝の起床が極端に遅い
・日中もぼーっとしている
・「行きたいけど体が動かない」と言う
・夜になると元気になる

第7位:きょうだいや家庭内の問題(離婚・介護・DVなど)

家庭の事情で心が不安定になると、外の世界に目を向ける余裕がなくなります。親が忙しすぎる、家庭内の雰囲気が悪いことなども原因に。

実例
小6男子。両親の不仲が続き、家庭に安心感が持てず不安定に。「家のことが気になって学校に集中できない」と登校を渋るように。

子どものサイン
・一人で過ごしたがる
・表情が乏しくなる
・急に甘えてくる/反抗的になる
・「どうせ何やっても無駄」と言う

第8位:SNSやネットトラブル

LINEグループのいざこざやネットいじめ、炎上など、現代特有のストレスで学校に行けなくなるケースも増えています。

実例
中2女子。LINEグループで悪口を言われているのを知ってから登校を拒否。学校では表面上うまくやっているが、常に不安な状態に。

子どものサイン
・スマホを離さない/急に使わなくなる
・SNSの話題を避ける
・夜中に何度も起きている様子がある
・突然「もう無理」と言い出す

第9位:発達特性による学校生活のしんどさ(ASD・ADHDなど)

集団行動やスケジュール通りの生活が苦手な子には、学校という場自体が負担になることがあります。

実例
小5男子。周りの空気を読むのが苦手でトラブルが多発。注意されることが増え、「どうせ僕はできない」と自己否定が強くなる。

子どものサイン
・指示が通りにくい/何度も聞き返す
・集団行動を嫌がる
・極端にマイルールにこだわる
・すぐに感情が爆発する/落ち込む

第10位:理由がはっきりしない「なんとなく行きたくない」

はっきりした原因がなくても、不登校になることはあります。環境の変化や成長による心の揺らぎなど、子ども自身も理由がわからないことが多いのです。

実例
中1女子。中学に進学してからなんとなく学校に馴染めず、「行っても疲れるだけ」と話すようになり、少しずつ登校日が減っていった。

子どものサイン
・「わからないけど行きたくない」と言う
・話しかけても反応が薄い
・眠れない/食欲がない
・趣味や好きなことにも関心が薄れる

親が見落としがちな不登校のサイン/お子さんが発するSOSとは?

繰り返しになりますが、一番重要な、お子さんのSOSサインをまとめておきます。上記のような様子と共にSOSのサインを感じたら、一刻も早くお子さんのサポートを始めてあげてください。お子さんのSOSを、いかに早めに感じ取れるかが鍵になります。

• 朝の準備が遅くなる

o 時間がないわけではないのに、靴下を履くのに15分かかるなど、行動が遅くなることがあります。

• 笑顔が減る・食欲が落ちる

o 好きだった食べ物を食べなくなる、表情が硬くなるなど、心の疲れが出ているサインかもしれません。

• 急に「何も話さなくなる」

o 学校のことを話したがらなくなる、話しかけるとイライラするなど、閉じこもるサインです。

• 学校の話を避けるようになる

o 「今日学校どうだった?」と聞かれると、話題を変えたり、無言になったり。

日本における不登校の現状(2023年度版)

文部科学省の調査によると、2023年度の不登校児童生徒数は以下のようになっています。不登校の数は年々増加していて、また、特定の地域や学校に限られた問題ではなく、全国的な課題となっています。
不登校には、子どもたち一人ひとりの状況に応じた柔軟な対応と支援が求められています。

小中学生の不登校の現状

不登校児童生徒数:
34万6,482人(前年度比 約4万7,000人増、約15%増加)

小学生:13万370人(10年前の約5倍)
中学生:21万6,112人(10年前の約2.2倍)

主な要因:
「学校生活に対してやる気が出ない」:32.2%
「不安・抑うつ」:23.1%
「生活リズムの不調」:23.0%

いじめの認知件数:73万2,568件(過去最多)
「重大事態」と認定された件数:1,306件(過去最多)
自殺した児童生徒:397人(過去3番目に多い)

不登校の増加は11年連続で、特に小学生の増加率が高く、学年が低いほど増加傾向が顕著です。

高校生の不登校の現状

不登校生徒数:6万8,770人(3年連続で増加)

主な要因:
「学校生活に対してやる気が出ない」:32.2%
「不安・抑うつ」:23.1%
「生活リズムの不調」:23.0%

高校生の不登校も増加傾向にあり、全日制高校の81.5%で不登校の生徒が在籍しています。

不登校の背景と支援の必要性

文部科学省は、不登校の要因を的確に把握し、きめ細かな支援が必要であるとしています。 また専門家は、フリースクールやオンライン授業など、多様な学びの場の整備や、経済的支援の充実が求められると指摘しています。

親御さんができるサポート|子どもの“心の安心”を最優先にしてあげて!

不登校の原因はさまざまでも、共通して言えるのは「子どもが安心できる環境を整えること」が何より大切だということです。
親御さんができる具体的なサポート方法を紹介しておきますので、どうかお子さんの心に寄り添ってあげられるようにしてください。

① 無理に登校させようとしない

「学校へ行きなさい!」「行かなきゃダメでしょ」など、強く登校を促すと、子どもはさらに追い詰められてしまいます。
お子さんは「学校へ行かない」のではなく、「行けない」状態であることを、わかってあげてください。

 「今は少しおやすみの時期かもね」
 「行けるようになったらで大丈夫だよ」

② 気持ちを受け止める「聴き方」を心がける

子どもがポツリと話してくれたときは、解決しようとせず、ただ気持ちを受け止めてあげてくだい。共感の言葉が、子どもの自己肯定感を支える土台になります。
親御さんの意見や気持ちを伝えることができるのは、まだまだずっと先のことです。

• NG例:「そんなことで悩んでたの?」
• OK例:「そうだったんだ。つらかったね」「言ってくれてありがとう」

③ 安心できる家庭の雰囲気をつくる

学校に行けないことに対して、親がピリピリしていたり不安を隠せなかったりすると、子どもはさらに不安になります。何気ない会話や笑顔を意識するだけでも、子どもにとっては大きな安心材料になります。

 ・テレビやゲームなどを一緒に楽しむ
 ・朝食を一緒に食べるなど、日常のペースを整える

④ 家以外の安心できる場所を探す

学校だけが子どもの居場所ではありません。フリースクール、教育支援センター、図書館などもあります。「学校に行かなくても、いろんな場所があることを教えてあげてください。
※ただし、お子さんの元気が出てきたらです。

こんな場所もおすすめ
 ・地域の学習支援教室
 ・本人が安心できる親戚の家
 ・オンライン家庭教師や居場所サービス

⑤ 親御さんも「相談」や「休憩」を忘れずに

子どもを支えるには、親御さん自身に、心のゆとりを持つことが必須です。ひとりで抱え込まず、学校やスクールカウンセラー、医療機関、市区町村の相談窓口などに相談しましょう。

• おすすめの相談先
 ・子ども家庭支援センター
 ・不登校支援NPOや保護者の会
 ・スクールカウンセラー・心理士

子どもへのNG対応集【こんな言葉・行動は逆効果!】※OK対応付き

子どもが不登校になったとき、親としてなんとか助けたいと思う気持ちは自然なことです。でも、良かれと思ってかけた言葉や行動が、逆に子どもを追い詰めてしまうこともあります。
以下のような対応は避けるようにしましょう。

「甘えてるだけでしょ?」と否定する

本人は必死に苦しんでいるのに、気持ちを否定されると「どうせわかってもらえない」と心を閉ざしてしまいます。

→ OK対応:「そうだったんだ」「知らなくてごめんね」など、まずは気持ちを受け止める声かけが大切です。

「そんなことで休むの?」と理由を軽視する

子どもにとっては深刻な理由でも、大人からすると些細に見えることがあります。誰だって他人の悩みは「なんだ、そんなことなの?」と思いがちです。ですが、そんな本音を伝える必要はありません。
うっかリ言ってしまうと、信頼関係が崩れます。

→ OK対応:「そんなのイヤで当たり前だよ!」「ちゃんと話してくれてありがとう」と、お子さんの痛みを認めてあげてください。

無理に学校へ行かせようとする

「明日からは絶対行きなさい」と強く言ってしまうと、不安や緊張が増し、体調不良や鬱を発症することもあります。

→ OK対応:「行きたくない気持ちわかるよ。どうしたら少しでも楽になるか一緒に考えようか」と、寄り添う姿勢を見せましょう。

他の子と比べる

「○○ちゃんは毎日行ってるのに」「お兄ちゃんはちゃんとやってたよ」など、誰かと比べる言葉は、子どもの自信と自己肯定感を奪います。

→ OK対応:「あなたはあなたでいいんだよ」「今のままで大好きだよ」と個性や気持ちを尊重した言葉かけが効果的です。

黙って見守るだけで終わってしまう

何も言わずにそっとしておくのも一つの手ですが、子どもは「どうせ自分には興味がないんだ」と感じてしまうことも。声かけの工夫が大切です。

→ OK対応:「そばにいるよ」「何かあったらいつでも言ってね」「よかったら一緒に買い物にいかない?」など、関心や安心感を伝える言葉をかけましょう。

学校や先生に丸投げする

「先生に任せておけばなんとかなる」と思ってしまうと、子どもは「どうして親がやってくれないの?」「自分がどうなってもいいの?」と感じてしまいます。

→ OK対応:「先生とも協力して、あなたにとって一番いい方法を考えていくからね」と、親が一緒にいるという安心感を伝えましょう。「親が一番自分を心配してくれる」「何があっても親は味方」という絶対的な安心を感じさせてあげましょう。

不登校の原因にすぐ気づければ、早い段階からのサポートが可能になります

不登校の原因は一つではなく、子どもによってさまざまです。子どもは不安やストレスをひとりで抱え、やがてダムが崩壊するように、学校に行けなくなってしまいます。でも、崩壊する前に気が付いてあげられたら、早めにお子さんの心のケアをしてあげることができます。
それにはSOSのサインを見逃さないことが重要です。お子さんの異変に気づけるよう、日頃から注意を払ってあげてください。

大切なのは、「子どもが学校へ行かない」のではなく、「行けない状況にある」という視点を持つこと。お子さんは我慢に我慢を重ねながら今まで過ごしてきたのだと、いたわりつつ寄り添ってあげれば、お子さんは少しずつ自信やじ自己肯定感を取り戻すことができるのです。

ボロボロになるまで追い詰められたお子さんには、親御さんの寄り添う気持ちとサポートが必須です。「どうしたら安心して過ごせるかな?」「学校以外にどんな選択肢があるかな?」を一緒に考え、未来への一歩につなげてあげてください。

不登校サポート資料

この資料でわかること

  • 不登校の心の4つの状態
  • 勉強をスタートできるのはいつ?
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この記事の著者

曽根 大樹 / 家庭教師のあすなろ 事務責任者

私自身、不登校になった期間があります。でも、あるキッカケのおかげで立ち直ることができ、学校に通うことができました。勉強にも苦労しました。とても厳しい部活で成績が悪いと練習に参加できないため、家に帰ってから必死に勉強しました。でも、疲れていて集中できない。勉強のやり方もわからない。気持ちばかりが空回り…。そんな状態を救ってくれたのが友達のお父さんでした。時間や勉強の仕方を少し工夫するだけで成績は伸ばせることを教えてくれました。ちょっとしたキッカケや工夫で状況は大きく変えられることを、自分の経験を活かして、一人でも多くのお子さんに伝えていきたいと思います。

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