支援のコツ

自閉症の子の想像力を養い、本当の可能性を引き出すサポート方法

この記事の著者

房前 みなみ / 発達障害コミュニケーション指導者

自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ子どもは、他人の気持ちを想像することが難しいので、想像力が欠如していると思われがちです。

ですが実は、自閉症の子も素晴らしい想像力を持っており、その可能性を引き出すことはできます。

そこで今日は、自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもの想像力を養うためのサポート方法について詳しく解説していきます。

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もくじ

自閉症スペクトラム障害(ASD)と想像力の関係

自閉症の子どもには、一般的な発達の子どもと比べて、想像力や創造性の発達において異なる特徴が見られることがあります。自閉症と想像力の関係を説明します。

現実的なことの方が興味を持ちやすい

自閉症の子どもは、抽象的な想像力よりも、具体的で現実的なことに興味を持つ傾向があります。これは、子どもが現実世界の情報に関心を持ちやすいためです。

コミュニケーションが困難になる

自閉症の子どもは、言語の理解や表現に困難があるので、他の子どもたちとのコミュニケーションが難しい場合があります。
他者の気持ちを理解し、共感することが難しくなってしまうと、想像力の発達に影響を与える可能性があります。

個人差がある

自閉症はスペクトラム障害であり、症状にはかなり個人差があります。そのため、自閉症の子どもの中には、非常に豊かな想像力を持っている子どももいます。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の特徴と想像力の関係

この項目では、より理解を深めるために、自閉症の特徴と想像力を解説していきます。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の特徴

自閉症、または自閉症スペクトラム障害(ASD)は、発達の障害の一つで、主に社会的なコミュニケーションや行動の特徴的なパターンに影響を与える症状のグループです。

さまざまな症状や特性が個人によって異なり、自閉症はスペクトラム障害として扱われます。このスペクトラムには、高機能型自閉症から重度の自閉症まで、広範囲の症状と程度が含まれています。

自閉症スペクトラム障害は、主に以下のような領域に影響を与えます。

社会的相互作用

自閉症の子は、誰かと社会的な相互作用を築くのが難しい場合があります。また、他の人の感情や意図を理解するのが難しいことがあります。

コミュニケーション

言語の発達に遅れが見られることがあり、また、非言語的なコミュニケーション(ジェル、ジェスチャーなど)にも困難がある場合があります。

特定ことに興味を持ち集中する

自閉症の子は、特定のことに熱中する傾向があります。またそれには一定の行動パターンがあります。

柔軟性とルーチン

変化に対する適応力に困難を抱えているので、同じルーチンやパターンを維持しようとする傾向があります。

特定のトピックや科学分野に興味を持つ

自閉症の子は、特定の科学分野、数学、歴史、宇宙、恐竜などに深く興味を持ちます。またそれに関して、深く膨大な知識を持つことがあります。代表的な一例を紹介します。

独自の創造的な趣味を持つ

自閉症の子は、アート、音楽、プログラミング、工芸、写真など、独自の創造的な趣味に情熱を向けることがあります。また作品を制作することがあります。

物質やテクノロジーへの興味

自閉症の子は、特定の物質やテクノロジーに強い興味を持ちます。これは、コンピュータープログラミング、ロボティクス、特定の科学の実験など、興味の幅は広範囲です。

独自の専門知識の発展

自閉症の子は、興味を持った領域において、非常に詳細な専門知識を持つことがあります。これは、その分野で専門家としてのスキルを発揮できる可能性があります。

自閉症の子の興味や行動のパターンは、自身の独自の世界を構築し、それが彼らの安心感や自己表現の方法となる場合があります。

ですが、自閉症スペクトラム障害(ASD)は個別に異なる特性を持つため、一般的な特徴や症状がスペクトラム内の全ての個人に当てはまる訳ではありません。

想像力とは何か?

想像力は、創造性と関連していて、新しいアイデアや視点を形成し、物事を新しい方法で理解するための力です。

想像力は、物理的なものを見たり聞いたりするだけでなく、抽象的なアイデアや感情を探求し、表現することにも関連しています。

想像力のあるなしは、アート、文学、科学、ビジネスなど、さまざまなシーンに影響します。

自閉症の特徴と想像力との関連性

上記で説明したように、自閉症の特徴と想像力は相反する場合があります。自閉症の特徴と行動パターンは、想像力を欠如させてしまう原因になると言われています。

自閉症スペクトラム障害(ASD)における想像力の発達とは?

自閉症と想像力の発達段階について、簡単に紹介しておきます。

自閉症は発達障害の一つなので、想像力の発達にも大きく影響する場合があります。

幼少期

自己中心的な遊びになる

幼少期の自閉症の子どもは、他の子どもとの共同遊びや想像遊びが難しいことがあります。代わりに、単調で繰り返しの遊びを好む傾向があります。同じおもちゃやパターンで長い時間ひとりで遊んでいられます。

コミュニケーション困難が想像力発達を阻害する

自閉症の子どもは言語の遅れや非言語的なコミュニケーション障害が存在することが多く、これが想像力の発達を阻害してしまう可能性があります。

子ども期から青年期

興味あることには独自の想像力を発揮する

自閉症の子どもは、特定の興味やトピックに対して非常に深い知識を持つ場合が多く、例えば、特定の科学分野や芸術に熱中することがあります。この興味は、独自の想像力を駆り立てることになります。

独自の創造性を持つ

自閉症の子どもは、独自の創造性を示し、想像力豊かなアート、音楽、プログラムフィーディングなどの分野で才能を発揮することがあります。これは想像力でアプローチできることを示しています。

このように、自閉症と想像力の関係は、発達段階に応じて異なる側面を持ち、適切なサポートによって最大限に活用できる可能性があります。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもの想像力を育てる方法

一般的な子どもとは違う想像力を発揮できるのが自閉症ですが、他者とコミュニケーションがスムーズになるよう、一般的な想像力も養ってあげたいですよね。
ご家庭や学校で可能なサポート方法を紹介していきます。

ご家庭でのサポート方法

まずは日常生活の中で親御さんができる方法を紹介します。

積極的にコミュニケーションをとる

自閉症の子どもには、コミュニケーション支援が重要です。日常の会話、感情や思考を表現する練習をサポートしていきましょう。簡単な質問をして、子どもが自分の考えや感情を伝えられるようにしましょう。

視覚的にも支援する

自閉症の子どもは、視覚情報に敏感です。視覚的なサポートを提供することで、コミュニケーションや学習の支援をすることができます。
絵カードやシンボルカード、図表、または学習計画表などを分かりやすい場所に貼り、子どもが一目で理解し、見通しがつくようにしましょう。

日常生活が見通せるようにする

自閉症の子どもは見通しがつく環境を好み、変化や予測不可能な出来事には不安を感じます。家庭や学校で、日常生活を極力予測可能なものにしておきましょう。
例えば、日課やルーチンを導入すると、安心して日常生活が送れます。

特定の興味にスポットを当てる

自閉症の子どもは、特定のトピックに深い関心を持つことがあります。特定のトピックがある場合、関連する本を提供し、学習倫理として話題に出すと学習効果を高めることができます。

創造的な趣味を持てるようにする

自閉症の子どもは、創造的な趣味を持つと、その才能を大いに発揮します。絵画やアート、音楽、ダンスなど、興味を持つ創造的な活動で子どもが表現する機会を持てるようにしましょう。
このような趣味によって、子どもは感情を表現できるので、ストレスを軽減することができます。

これらの方法は、ご家庭で自閉症の子どもをサポートし、子どものニーズに合った学習と発達を育成するために役立ちます。

学校での支援方法

個別の支援計画を立てる

自閉症の子どもは、その子の嗜好やニーズに合った教育計画を立てることが重要です。

教育関係者への情報提供

学校の先生や校長先生に、自閉症の子どもに適切なサポートを提供できるよう、親御さんが情報を提供しましょう。

個別指導を行う

自閉症の子どもには、個別指導が効果的な場合があります。個別指導室や補助教室を使えるようにし、子どもが自分のペースで学習できるようにサポートしましょう。

視覚的な支援

学校環境でも視覚情報を使ったサポートも有効です。指示する場合は、絵カードやシンボルカード、図表などを使って補完してもらいましょう。

親御さんの参加

学校関係者と親御さんは連携して協力することが重要です。学校の先生と定期的にコミュニケーションを取り、子どもの進捗状況を確認していきましょう。

これらのサポート方法は、自閉症の子どもの発達を促進し、彼らがより充実した生活を送っていくことに役立てることができます。個別のニーズに合わせたアプローチで、子どもの可能性を引き出していけるようにしましょう。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の想像力を育むためのヒント

自閉症の子どもが他人の気持ちを理解できるようになる等、ごく一般的な想像力を育むには、どうしたらいいのでしょうか?日常の中で役立てる方法やそのためのヒントを、具体的に紹介していきます。

想像力を発揮できる活動を行う

絵本の読み聞かせ

豊かな絵や物語で、子どもの想像力を刺激しましょう。 絵本の登場人物や場所について親子で語り合うことで、子どもが自分に置き換えてストーリーを想像する手助けになります。

ロールプレイングゲーム

子どもに役割を与え、ストーリーを作成してみましょう。

感情認識のトレーニング

自閉症の子どもが他人の感情を理解できるよう、カードや写真を使った感情のトレーニングを行いましょう。他人の感情を最大限に練習することが、コミュニケーションスキルの向上につながります。

共感力を養う

子どもが他の人の視点を理解し、共感する手助けとして、他の人々の話や経験に共感する習慣を身につけていきましょう。

想像力を発揮できる環境調整

創造的な遊び場を作る

子どもの想像力を刺激する環境が身近にあるよう、安全で創造的なプレイエリアを作りましょう。絵を描くための材料、おもちゃ、手作りの工作道具をそろえ、安心して遊べる場所を設定しておきます。

静かな環境を作る

自閉症の子どもは刺激に敏感なことが多いので、静かな環境を提供し、集中できる場所を確保します。

これらのヒントは、自閉症の子どもの想像力を促進するための出発点です。重要なのは、子どものニーズや興味に合わせてアプローチを調整し、楽しさと肯定的な経験を積み上げていくことです。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の子の想像力は、独自の素晴らしい世界観を尊重してもえることで発達していきます

自閉症の子どもの成長と発達をサポートし、彼らの想像力を育むためには、以下の点に注意することが大切です。

想像力を育むためのヒント

特定の興味を尊重する

自閉症の子どもは特定のトピックに対して深い興味を持つことがあります。この興味を尊重し、それを活かす機会を提供しましょう。これによって想像力も一緒に発達していきます。

視覚的な支援

自閉症の子どもは、視覚情報に敏感です。絵や図を使った情報を提供し、学習効果を促進していきましょう。また、視覚的な刺激を活用することは、想像力を養います。

日常生活の見通しがつくようにする

自閉症の子どもは、予測可能な環境を好む傾向があります。家庭や学校の環境を見通しがつくようにして、安心できるようにしましょう。これにより、子どもはリラックスできるので、想像力を発揮しやすくなります。

創造的な活動をする

絵画、音楽、物語作りなど、創造的な活動を促進しましょう。子どもたちに自分のアイデアや感情を表現する場を提供することで、想像力が豊かになります。

積極的にコミュニケーションする

自閉症の子どものコミュニケーションスキルを支援しましょう。コミュニケーションは想像力を発展させる重要な要素です。対話の機会を多く作り、コミュニケーションスキルを強化していきます。

自閉症の子どもたちが想像力を発揮できるようにするためには、個人のニーズを理解し、適切なサポートを提供することが大切です。そして、親御さんの愛情と共に成長し、子ども独自の素晴らしい世界を尊重してあげるようにしましょう。

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この記事の著者

房前 みなみ / 発達障害コミュニケーション指導者

体を動かすのが大好き、誰とでも仲良くなれるタイプです。学生時代は陸上部に所属し、負けるのが大嫌い。とにかく強くなりたくて部活が終わった後も自主練!「勉強よりも部活!!」というタイプでした。なので、勉強にはかなり苦労しました…。でも、母が頼んでくれた家庭教師の先生のおかげで、成績を上げることができました。今度は私も同じように勉強で困っているお子さんのために「家庭教師のあすなろ」のスタッフとして、少しでも勉強を好きになってもらえるようなサポートを心がけています。

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