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不登校って甘えなの?甘え依存型の特徴と対処法を解説!

この記事の著者

柳 聡明 / 不登校訪問専門員

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不登校って甘えなの?

不登校について言われることの一つに「甘え」という言葉があります。お子さんが不登校になりかけの初期の頃、学校にいけないお子さんに対して「甘えてるんじゃないの?」と思ってしまった親御も多いのではないでしょうか?

不登校になってしまう子は、大抵の場合、まじめで優しい子が多いです。そのため、自分と合わない学校生活に苦しみ、悩み抜いた末に不登校になってしまうのです。

この記事では不登校と甘えの関係性や対処法を解説していきます。「不登校は甘え」という誤解を解いて、お子さんが自分のペースでのびのびと成長できる要因はどこにあるのか探っていきましょう。

なぜ不登校は甘えが原因と言われるの?

不登校が「甘え」の結果であるとは断じて言えません。しかし、第三者から見ると「甘えているように見える」ことがあります。

不登校を「怠けの結果としての甘え」と解釈すると、周囲の人々には理解しやすいでしょう。しかし、不登校は「助けを求めるための甘え」であり、「怠けの結果としての甘え」ではないのです。

不登校は甘えが原因と言われてしまうのは、以下のような理由からです。

学校生活に適応できない

不登校になってしまう子は、学校や学級の集団生活に適応することが難しい場合があります。そのような適応困難な子の性格を「甘えている」と感じてしまうこともあります。

「負担や困難からの逃げ」だと思われてしまう

不登校になってしまった子は、学校に行くことや勉強に取り組むことが苦痛に感じる場合があります。学校での人間関係のトラブル、勉強のプレッシャーや困難、不安やストレスなど、苦痛や困難だらけの状況が耐え切れず不登校になってしまった子が多くいるからです。
そのような行動が「甘えている」と解釈されることもあります。

保護者の対応や家庭環境から「甘え」と思われてしまう

保護者の対応や家庭環境は、不登校の原因が「甘え」だと言われてしまう原因になることがあります。
わかりやすく言うと家庭環境から不登校になってしまったのに、不登校は子どもの「甘え」が原因と思われてしまうのです。

過保護な態度

親御さんの中には子どもの困難や苦痛を発見すると即介入し、親御さんのチカラで問題を解決してしまう傾向があります。このような親御さんの行動によって子どもは自分で問題を解決する力や困難に立ち向かう力を持つことができず、自己中心的な行動や甘えから生まれる我儘を言いやすくなります。その為、不登校になるのですが、こうした場合は「甘え」と言うより「甘やかし」が原因と言えるでしょう。

コミュニケーションの欠如

親御さんとの適切なコミュニケーションが不足している場合も、子どもの不登校は「甘え」と見られる原因になることがあります。コミュニケーションできないと、子どもたちは自分の気持ちや問題をうまく伝えることができず、甘える行動に頼ってしまう傾向が生じるからです。
このような場合、第三者からは「甘え」に見えますが、実際の原因はもっと深いところにあるのです。

以上のような親御さんの対応や家庭環境が、不登校の子ども達に自己中心的な行動や甘えを生んでしまいます。こういったケースは親が子どもに依存していると言えます。

甘え型不登校【甘え依存型】の特徴

ではこれから、不登校の分類のひとつである【甘え依存型】について解説していきます。

【甘え依存型】は現在では混合型と呼ばれているもので、精神的に成長していないので、ちょっとしたことで傷つき学校へ行けなくなってしまうという特徴を持っています。

【甘え依存型】の子どもの性格には4つの大きな特徴があります。

人に頼りがちになる

甘え依存型の不登校の子どもは、誰かに頼ることが多く、自分で問題を解決することに苦手意識を持っています。自分で困難な状況に取り組むことが難しく、代わりに誰かに頼ってしまうので、責任感を失い成長の機会を逃してしまいます。

自立していない

甘え依存型の不登校の子どもは、自立心が弱く、自分で行動することに不安や恐怖を感じることがあります。その結果、日常生活の中でも行動が取れなくなり、自ら思考し動く行動がなくなってしまいます。

我慢できない

甘え依存型の不登校の子どもは、我慢すること、困難に立ち向かうことが苦手で、逃げたり避けたりすることを選びます。 また自分の欲求や感情に対してすぐに応じて欲しいと思う傾向があります。

また甘え依存型の子は以下のようなタイプに多いです。

・生活リズムが乱れやすい
・集団生活のルールが守れない
・プライドが高い
・ストレスで体調不良になる
・他人と協調することが苦手

不登校になってしまう原因にはさまざまな問題が複雑に絡み合っていて、簡単にこれだと言い切れない場合が多いです。不登校になりやすい子の性格にも同じことが言えます。

ひとつ言えるのは、このような問題を子どもが抱えてしまったのは少なからず親御さんや家庭環境も大きく関わっていると言うことです。

そう考えると、お子さんが不登校になったのは、お子さんからのSOSを受け止め、環境を変える良い機会ととらえることもできます。

甘え型不登校【甘え依存型】の対処法

甘え依存型の不登校の子に対しては、以下の対処法が有効です。

小さな成功体験を積む

甘え依存型の不登校の子どもには、自己肯定感を高めるために小さな成功体験を積み重ねることが重要です。学校や日常生活の中で、子どもが達成しやすい目標を立てて、それを達成したら思いっきり褒めたり励ましたりしてあげると自信がついていきます。また失敗や困難にも少しずつ立ち向かう訓練を行うことで、問題解決力や忍耐力を向上させることができます。

子どもの話を聞く(ありのままを受け入れる)

甘え依存型の不登校の子どもは、自分の気持ちや考えを上手に表現することができないことがあります。でも話に耳を傾け、お子さんの感情を否定せずに受け止めてあげると、子どもは安心して自分を表現できるようになります。
そのような環境で暮らしていくうちに、子どもは冷静さを取り戻し、自分自身を受け入れる力を身につける付けることができます。

親も子どもに依存しない

甘え依存型不登校の子どもは、親御さんに依存してしまう場合が多いです。なぜなら親御さんが子どもの代わりに問題を解決し、困難を肩代わりしてしまうので、子どもが自立できていないからです。
こういった問題は親が子どもに依存しているから起こることなので、親御さんが子どもの側に寄り添い、共に成長することが大切です。

甘え依存型の不登校の子には、まずお子さんのありのままを受け入れてあげる体制を作りましょう。そしてコミュニケーションを密にとり、お子さんが悩みを打ち明けられる関係性を作ることが重要です。

甘えはいけないことなの?

甘えは人間の本能的な行動であり、特に子どもは保護者や周囲の大人からの愛情やサポートを必要とします。 成長過程において子どもが甘えるのは安心感を育み自己成長するために大切です。

とは言え、過度に甘やかしてしまうと以下のような問題が起こります。

自己成長の妨げ

子どもを過度に甘やかしてしまうと、自らの力で問題を解決する機会を奪う可能性があります。また自己成長や自己能力を身につける機会を逃してしまいます。

責任の回避

常時甘やかしていると、子どもは責任感や義務感を持つことに抵抗するようになります。自分の行動や選択に対して責任を持たずに、自己中心的な行動に走ることあります。

社会適応の問題

また甘やかすことで、学校生活や社会生活への適応力を失ってしまうこともあります。自己主張せず誰かに頼りっきりになると、学校や職場での人間関係やコミュニケーションに苦労することが考えられます。

甘えの種類

甘えにはいくつかの種類があります。個人によって異なる特徴がありますが、不登校の場合は以下の2つに分類できます。

怠惰による甘え
このタイプの甘えは、何もしないことや努力をしないことを、他人に頼ることで解決しようとする傾向があります。不登校の場合は、勉強や学校生活から単純に逃げ出したいという甘えです。

家族に対する甘え
この場合は家族に対し「守って欲しい」「辛さに気づいて欲しい」「家にいた方が安全だと感じるので学校に行きたくない」など、家族に対してSOSを発しています。不登校の多くの子は、このタイプの甘えと言えます。

このように不登校の多くが親御さんや家族、周囲の大人たちに対してSOSを発しています。

ですがSOSを発するのは信頼関係あってのことなので、不登校という事態ではあっても喜ばしい現象とも言えます。「親だけは自分を裏切らない」とお子さんが知れば、親子の絆はもっと深まります。
お子さんの話を聞き、「何をしたらいいか?」「何を求めているのか?」と一つずつ解決に向けてゆっくり動いていきましょう。

親御さんの愛情と甘やかし

愛情と甘やかしは似ているように見えるかも知れませんが、実際には異なる概念です。 愛情は子どもを冷静にサポートし、成長する上でのポジティブな影響を与えられるような行動です。

愛情深い親は、子どもの感情やニーズに対して敏感に対応し、安心感を与え信頼関係を築くことができます。愛情は子どもの健全な成長と発達に必要な要素であり、親子の絆を築くために重要です。

一方、甘やかしは過度な寛容や過保護な態度を示すことです。甘やかしの親は子どもの要求や欲求を無条件に満たす傾向があります。すると子どもは自己中心的な思考になり、「自分がよければそれでいい」と考えるようになります。

甘やかしの親は、子どもを保護し過ぎて、子どもが自己成長する機会を奪うことがあります。また、甘やかしてしまうと、子どもの自立心を低下させる可能性があります。親が助けてくれることを過信しているので、自分で困難に立ち向かう力や忍耐力が不足する場合があります。

このように、愛情と甘やかしは、全く別の性質と結果を生むものです。不登校の対応としても、愛情をかけるのは良くても、甘やかしはお子さんの成長を阻むものだと覚えておきましょう。

不登校は助けを求める叫び

不登校は、子どもが大変深刻な問題を抱えていることに起因する、心のSOS(緊急信号)として認識することが重要です。
そして「学校に行きたくない」という気持ちと行動は、勉強の困難や人間関係のトラブルがあるから起こってしまうことです。
お子さんが「学校に行きたくない」と言い出した時は頭ごなしに否定せず、そう思ってしまった裏にはどんな問題があるのか時間をかけて探っていきましょう。

不登校解決の第一歩は【甘えられる関係】を築くこと

甘えられる関係を構築することは、不登校の子どもたちにとって重要な一歩となります。このような関係を築くことができれば、子どもたちは安心感を得て、自己成長することができるからです。
そしてこのような親御さんとの信頼関係があって初めて、子どもは学校へ行く勇気が湧いてくるのです。

以下からはお子さんが甘えられる関係を築くための方法を解説します。

コミュニケーションを大切にする

親が子どもに対して積極的に話しかけ、お子さんの気持ちや考えに興味を持つことで、子どもは親のことを「自分を理解してくれる存在」と感じます。また、コミュニケーションを取れば子どものニーズや悩みごとを把握できるので、適切なサポートが可能になります。

応援する、励ます

甘えられる関係を築くためには、子どもの努力や成長を応援し、励ますことが重要です。 子どもは自分の努力や成果を認められれば、自己肯定感を高め、自ら成長していくことができるからです。
また親が子どもをサポートする姿勢を示せば、子どもは困難に立ち向かう勇気を持つことができます。

子どもの意見を尊重する

お子さんが素直に甘えられる関係を築くためには、子どもの意見を尊重することが大切です。 子どもと言え、自分自身の意見や悩みがあります。そんな場合でも親が自分の意見を大切にしてくれれば、子どもは自信を持ち、自らの力で行動する気力が湧いてきます。

安心できる環境を与える

甘えられる関係を築くには、子どもが安心できる環境を提供することが重要です。 子どもが安心して生活できるよう家庭環境を整えると、お子さんの不安やストレスが軽減され、どんなにイヤなことがあっても家では安心して過ごせるようになるからです。このような環境は成長のために必要な要素であり、不登校の解決にも役立ちます。

以上の方法をできることから実践していくと、子どもは自分が尊重される関係性に安心し自己成長していくことができます。

「親だけはいつでも自分の味方」「どんなことがあっても家に帰れば安心できる」と思えれば、お子さんも学校へ行く勇気を振り絞ることができるからです。

親御さんが正しいサポートを提供し、子どもの心の健康を守る準備を整えていきましょう。ここまでくれば、お子さんの不登校もたいした問題に感じなくなるのかも知れません。

不登校は甘えじゃない!

子どもが学校に行くことを嫌がる原因は、心理的な問題や勉強の困難、人間関係のトラブルなど様々なものがありますが、その原因のひとつとして「甘え」と思われる場合があります。

ですが適度な範囲での甘えは成長のために重要で、子どもは愛情やサポートを受けとることができます。この時に、子どもを過度に甘やかすと自立心がなくなり、自分で困難に立ち向かえなくなります。

子どもが自己成長し、学校や社会に適応できるようになるためには、親との信頼関係を築くことが重要です。

子どもが素直に甘えられる関係性を築ければ、子どもは不登校から第一歩を踏み出せます。

不登校を改善するには子どもの感情や意見を受け止め、信頼される関係を築いていきましょう。

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この記事の著者

柳 聡明 / 不登校訪問専門員

とにかくサッカー漬けの毎日。8歳からサッカーを始め大学でもサッカー部に所属していました。高校は県でも有数の進学校にスポーツ推薦で入学。なので、授業についていくのにも必死。最初の定期テストでは赤点も3つ…。この成績が続くと部活もクビに…。なんとかしなければと、登下校の時間やスキマ時間を使って、勉強と部活の両立の方法を考え乗り越えてきました。こうした自分の経験も活かして、勉強で困っているお子さんを一人でも多くサポートしていきたいと思います。

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