ここでは、夏休みの自由研究に取り組むみんなのための、興味深くて楽しい研究テーマを紹介しています。

気化熱利用を知って、あつ~い夏も乗り切ろう!中学生

帽子を被っていると、中が熱くなって頭皮に汗をかいていきますね。
その帽子をかぶった状態でうちわであおいでみるのと、その次に帽子をとってみて、うちわであおいでみるのとでは、帽子をとった状態の方が涼しく感じます。
これは、汗が蒸発する際に気化熱となって、頭皮の熱をうばっていくので涼しくなるのです。

帽子
気化熱とは
液体が気化する時に外部から吸収する熱量。吸収された熱が温度上昇に使われないで、気化のためのエネルギーとして使われる。
1グラムの液体を同温度の気体にするのに必要な熱量は、摂氏1100度の水の場合、539.8カロリーに等しいとされる。

実験してみましょう

実験1

  • 温度計で、気温を測る
  • 温度計を1分間うちわであおいで測る
  • 温度計を水につけたあと、1分間うちわであおいで測る
うちわTYPEI
実験の結果(7月・屋内)
  • 25.9℃
  • 25.3℃
  • 22.3℃

でした。
(3)は気化熱によって、温度計のまわりの温度が下げられたわけですね。

では、水の代わりに、制汗剤ではどうでしょうか。
※制汗剤の中にはエタノールやメントールが入っているものもあり、水よりも気化スピードが早い。

実験2

制汗剤につけたあと、温度計を1分間うちわであおいで測る。

うちわTYPEⅡ

制汗剤につけてあおいだとたん水よりも早いスピードで温度がさがりはじめ、実験の結果は20.5℃でした。
蒸発のスピードが速いエタノールやメントールが入っているため、その分熱の吸収も大きいのです。なので、スッと涼しく感じるのですね。

エコな涼しさ!気化熱利用グッズ

  • 霧吹きの先端に、手動でまわる扇風機がついているもの。
  • 保水性の高いタオルや素材を濡らして、首やひたいにまくタイプのもの。
  • そのほか、まだまだたくさん。気化熱の原理を利用している製品。探してみてね。

公共的にも、気化熱利用

玄関に打ち水をすると、ひんやりして気持ちいいなんて経験ありませんか?打ち水は古来から涼をとる方法として、日本でも生活の中で行われてきました。そんな昔から、気化熱利用はされてきたんですね。

最近では道路工事において『アスファルトの保水性舗装』などが、注目されています。普通の舗装面よりも粒度が粗く、雨天時に雨水がしみこみやすい構造であったり、保水性の高い材料を敷き水分を蓄えておくことで、晴天時に気化熱がおこるしくみで、ヒートアイランド現象の緩和が大きく期待されています。

他にはどんな気化熱利用があるでしょうか。
調べたり、実際につくってみたり、アイディアを広げて行って下さいね。
以上、家庭教師のあすなろでした!